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イタリアの盆栽おやじ

盆栽
 さて、t.tさん、さっそくのリクエストありがとうございます。とりあえず、ブログ・リクエストの初めてのリクエストということもあって、うん、なんだか僕もこうして書いているのは楽しいです。
 えーと、イタリアの盆栽おやじ。これはタイトルそのままですが、ここミラノにある盆栽店の主人の話です。
 僕がその店に初めていったのは、今から2年ほど前です。僕の当時の彼女(今は別れて別居していますが、僕の娘の母親です)が、クリスマスプレゼントにと僕に盆栽を買ってくれました。その彼女が連れていってくれたのがボンサイ・センターというお店です。
 当時その店はコルソ・ガルバルディというミラノでもとてもおしゃれで、中心の一等地にありました。そのころはなぜだか知らないけど、盆栽というものがとても人気を呼び、よくプレゼントなんかに使われたみたいでした。まあ、なんにでもブームというものがありますが、その時はまさにそんな感じだったのでしょう。
 そこで僕は盆栽をひとつ買ってもらいました。えーと、話が長くなって申し訳ないのですが、この僕の盆栽には個人的な歴史のようなものがあります。
 僕がここイタリアに移住するビザを日本で取得するのに3か月もかかって、僕が本格的にミラノに移ってきたときにはこの盆栽はほとんど枯れかけていました。もう諦めてもいいような、葉っぱも抜けおち、まあ、そのときすでに彼女とは別れていたので、彼女もほとんど僕の盆栽なんかには興味がなかったのだと思います。
 僕が自分のアパートに引っ越してきて、一人暮らしを始めた時にこの盆栽も一緒に持ってきました。死にかけた盆栽にわずかな希望を託して、毎日ちゃんと水をあげました。そのときの僕は母に死なれ、子供ができたのに別れてしまい、まだ右も左もわからないような状況で、そんな自分と重ね合わせていたのかもしれません。
そうすると、まるでおとぎ話のような話ですが、盆栽はちゃくちゃくと生気を取り戻し、今ではすっかり元気になっています。
 まあ、僕の場合は良かったものの、盆栽は毎日水をあげなくてはいけないし、とても手間のかかるものです。
周りのイタリア人に聞いても
「ああ、ボンサイねぇ、あんなのすぐに枯れちまうよ」とのことで、そのボンサイ・センターもいつの間にかなくなってしまっていました。店のたたずまいや、頑固そうな主人の印象が強かったので個人的には残念に思っていました。
 僕の盆栽は僕が日本に帰るなど、世話ができないときは友人にあずけていたのですが、この間長く日本に戻ることになり、どうしようかと思っていると、あのボンサイ・センターが移転して、ちゃんと営業していることを知ったのです。
 そして主人が「バカンスにいるときは盆栽を預かってやるからな」と言っていたのをなんとなく覚えていて、試しに盆栽を持って行ってみました。
 少し郊外にあるせいか、店の敷地はとても大きくなっていて、入口の庭先にはとても立派なもみじや松などがありました。ここイタリアでは、それはまるで夢の中の一部のようなとても奇妙な光景でした。その敷地をぐるぐる回って、10分ぐらいしてからようやく主人が出てきました。まったく商売っ気がないのもそのままで、そんなんじゃ、あの一等地では無理だろうなと思いました。
 外見は2年前に見たとおりで、中年太りの典型的なイタリア人ぽく、まったく人の話を聞かなさそうな印象は同じでした。僕が昔この盆栽を買ったこと、バカンスに行くので預かってほしいこと、などを話してもほとんど話を聞いていない様子でした。
「おまえ、国どこだ?」と聞かれ
「日本」と言うと、僕の胸をバンと叩き、「いいじゃねえか」と初めて笑いました。
 そして僕の盆栽を見るなり、素手で枝をバキバキと何本か折りました。僕が唖然としていると、預かるのは1か月20ユーロだと言われました。それに鉢の植え替えもお願いしたので、けっこうな値段になるなあ、と思いながら結局お願いして日本へ旅立ったわけです。
 約1か月半ぶりにミラノに戻ってきて、盆栽を取りに行くと、従業員なのか客なのかわからない頑固そうなおじさんがいて「主人は?」と聞いても返事もしてくれませんでした。結局また20分ぐらいお店をぐるぐる回って、主人が面倒臭そうに出てきて、僕の盆栽をみると「JAPAN」というタグが付いていました。
 鉢の植え替えもしてあって、元気そうだったので安心しましたが「値段は?」と僕が聞くと「10ユーロだ」と主人は言いました。
 たぶん客なんかより、盆栽のほうが大事なんでしょうね。そんなんで商売になるとは思えないですが、僕は10ユーロを払って盆栽を引き取ってきました。
 なんだか話が長くなってしまいました。またリクエストお願いしまーす。ちなみに写真の盆栽は僕の盆栽ではありません。中国の、えーと大理という町の宿で撮ったものです。なんだか虫みたいで、それでも必死に生きようとする時間が凝縮されて詰まっているみたいで、まさに凡才ですよね。僕の盆栽も少しずつ大きくなっています、というところで、今日はこのへんで。明日は、またリクエストをいただいたので「日本人と世界」です。
 チャオー。

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コメント

  1. SECRET: 0
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    わたしの盆栽は・・・3,4つ天国に行ってしまいました・・・。
    わたしの住んでいるソルトレイクシティはあまりにも気候がDry過ぎて、どうやら温室で育てないかぎり・・・かなり難しそうです。これ以上盆栽を天国に送るのはあまりにもかなしいので、ことし最後の鉢を最後に盆栽から手を引きました。盆栽は亡くなった大好きだった祖父の趣味でした。いつかもう一度挑戦したいなぁ・・・。その時は、もっと湿度のある土地で・・・。
    どこの盆栽屋さんのオヤジも一緒なんだなぁって思いました。ソルトレイクシティの盆栽屋のオヤジも同じ、商売っ気が全くないの、で、ぶっきらぼう(笑)

  2. t.t. より:

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    私も砂漠に住んでいるので、年中植物を死なせてしまいます。出張が多い私にとって、唯一育てることができるのは蘭だけです(あと、サボテンも大丈夫でしょうね)。
    それにしても1ヶ月半で10ユーロ。水代くらいにしかならないのではないでしょうか。

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