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イタリア・バルバレスコのワイナリー ガヤ(GAJA) 3

 ガブリエッレは慣れた態度でまずガヤに来てくれたお礼を述べた。「ガヤにようこそおいでくださいました」と。もちろん、一般の人がここに入ることができないのは承知のことだろう。一呼吸おいて我々の素性を聞いてきた。幻想的な待合室の中に一瞬にして緊張感が走った。「はあはあ、あなた達はソムリエで、あなたはライターですね?」と確認するように彼は言った。
「それではこれからガヤを一緒に案内します。こちらへどうぞ」とガブリエッレが言い、我々は彼の後に続いた。入口の広場に戻り、我々はひとつの扉の前で立ち止まった。
「ここが昔のガヤ家の入口です。かつてここでガヤ家は小さな食堂のようなトラットリアを営んでいました。ガヤ家がこの地でワインづくりを始めたのは1859年に遡ります。しかし当時はそれほどワインが有名だったわけではなく、ガヤ家はトラットリアとして食事を作る傍ら自家製のワインを作っていたに過ぎなかったようです。ガヤ家のワインが美味しいと評判になり、トラットリアを辞めてワインづくりに専念し始めたのは1920年ごろからと聞いています」
 へーえ、と僕は思った。本やネットなど参考してガヤのことは一応調べたつもりだったけどそうゆう記載は読んだことがなかった。アンジェロ・ガヤがガヤ家を継ぎ、60年代以降さまざまな改革を行いながらその名を世界に知らしてゆく成功へのバイブルみたいな「バルバレスコよ永遠に」という本は読んだことがあった。それでもよく聞くのは何冊ワインの本を読んでも、いろんな知識を蓄えてもいろいろな意味でワイナリーを訪れるほど実体験としてワインの情報が得られることはないと言う。でもそれじゃあアンジェロ・ガヤはイタリアではかなり珍しいほどアメリカンドリーム的な成功を収めた珍しい成功例と考えることができる。
「申し訳ありませんが、写真が取れるのは一旦この広場までです。これから中に入りますが、写真はお控ください」とガブリエッレが言った。
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 写真の扉を抜け我々はいよいよガヤの内部へと足を踏み入れていった。かつてトラットリアとして使用していたと言われるレンガ造りの室内にはテーブルを含め数点オブジェのようなアート作品が並んでいた。アンジェロ・ガヤ氏の趣味なのかもしれないけれど、ルネッサンスごろの作品というよりは近代アートのほうが好みなのかもしれない、というようなオブジェ。ただ部屋の広さは決して広くなかった。トラットリアをやっていたとしても席数は20ぐらいがやっという感じだろう。我々はそこから地下へ通じる階段を下りていった。
 ワイナリーを訪れるときにいつも感じることだけど、このカンティーナと呼ばれる地下へ降りてゆくときにさまざまな匂いと共にそれぞれのワインを想像することになる。階段をひとつひとつ降りてゆく度にワインの匂いと共に土地の匂いのようなものが漂ってくる。まるでワイングラスをゆっくりと鼻に近づけるような微妙な匂いの違いが身体に入ってくる。さあ、いよいよガヤの震源か、と僕は思った。

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