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イタリア映画への出演

 今日は映画の撮影に行って、気が付くと女優が目の前にいた。まさにエネルギーの塊という彼女を前にして、僕はそこにいて、そしてそこにいなかった。
 男たちの目線を常に感じるであろう彼女はどうゆう反応を示すのか、つまり男性的な目線で彼女を眺めてみた。まさにオーラというものを纏ったような彼女の動きひとつひとつが、僕には何か特別な意味をもつようにおもえてしょうがなかった。
 今日一日というものを振り返ると、さまざまなドラマの洪水のような一日だったということができる。
 朝一にスタジオに到着すると昔の工場を再利用した体育館のように大きなスタジオにはファッションショーのセットがしてあった。十字架のような真っ白なステージが中央にあり、その両サイドには300人ほどのエキストラの人々が椅子に座っていた。エキストラの人々は年齢から国籍までさまざまで、何かの授賞式に出席しそうな恰幅のよい黒人男性はスマフォを触り、真っ赤な帽子に真っ赤な口紅を塗った痩せ細ったアジア系のおばさんが横の黄色くミニのスカートを履き、ピンクの頭をした北欧系の若い女の子に話しかけて、立派な白髪を湛えたイタリア人の老人は胸のハンカチーフの角度を気にして何度もひっぱり、そうゆう日常的な行為をする非日常的な空間にいる人々たちすべては、それがファッションショーであるように皆が一応にミラノ的なオシャレをしていた。人々を取り囲むようにカメラ隊が控え、十字架の下に横棒を引くようにカメラレーンが床に張り付いていた。
 朝8時半にスタジオに入った僕は煌々とするする光景をじっと眺めていた。やがて撮影が始まり、エブリィバディ・ダンス・ナウ!という大音量の中ショーが繰り広げられ、十字を描いた光の中、渦を巻くようにステージ上を真っ白な花嫁衣装を着たモデルの子達が10人ほどゆっくりと通り過ぎていった。設定としてはミラノコレクションの再現なのだろうと僕は思った。
 午前中、出番なし。
 撮影を見学していると「ねえ、あんたなんでここにいるの?マフィア・ジャポネ~ゼの役かなんか?」とエキストラの親切そうな太ったイタリア人のおじさんに話かけられて、なんで?と思いながら「あ、僕はね、フリーライター」と答えた。
 撮影所の大食堂で皆ランチ。なんで朝から呼ばれたんでしょうかね?と少しずつ共演者の日本人グループ間から不満が出始めた。その後、ダラダラとランチタイムと休憩が続き、ショーの撮影が終わったら出番と聞いていたのだが、撮影の再開は4時過ぎになった。
 共演者の間になぜ我々は早起きをしたのだろう?という大きな疑問符が風船のようにどんどんと膨らんでいくのを感じながら、僕は以前出演したボーダフォンのCM撮影は朝方までかかったことを思い出していた。それはイタリアだからこうなのか、それとも日本でもこうゆう業種はとにかくこうゆう感じなのか、僕にはわからない。
 やがて別のセットで夕方から撮影となり、セッティングが始まった。僕はこの映画の主演が誰なのかもわからないまま、ドラマや、こうして映画にも出演するイタリア人女優が僕の目の前にやってきたことを悟った。撮影は8時ごろに終わり、僕は自宅に戻ってこの文章を書き始めた。
 彼女はたしか、ジュリアと呼ばれていたような気がする。そのうち、どこの誰なのか検索してみようと思っている。

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コメント

  1. 長男は荷物 より:

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    貴重な体験をされたようで何よりです
    私も仕事の関係で、製品のカタログ撮影とCM撮影に立ち会ったことがあります
    まだデジタルでは無い時代です
    セットの建て込みはしかたがないとして、素人にはわからないのがセット・ライト・カメラのセッティング
    答えはカメラマン、または監督の頭の中にしか無いものですから、なかなか決まりません
    私はクライアントなので建て込みの際に製品をセットしたら終わりで、あとはお菓子食べながらお茶飲んで待っているだけなのですが、やはりサラリーマン、早く帰りたいのですよ
    深夜まで押すというのは当たり前で、当たり前だと思うしかないようです

  2. 佐武 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
     長男 さん
     どうも、こんにちは。
     そうなんですね、こうゆうのは当たり前なのですね。そしてワンシーンで数百人のエキストラが必要な映画ってホントにお金がかかるなあと思いました。
     たしかにサラリーマン、早く帰りたいですね…。

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