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転換期

yH5BAEAAAAALAAAAAABAAEAAAIBRAA7 - 転換期
 久しぶりにウイスキーな夜、そして覚醒。
世の中の醜さ、自分の弱さ、そして理解できないとう青ざめた夜の風。
カレンダーの目をやる位置が少しずつずれていって、8月が終われば、別の季節がやってくる、僕にとっては間違いなく。グラスの中で氷が割れたような音を立てる、夏の夜に共鳴するように、窓の外から聞こえるざわめきを拡張するように。
 最近こうして純粋に自分のための文章を書くことが少なくなった。
でもこうしてパソコンの画面があって、扇風機に打たれる均一な風があって、そしてウイスキーとタバコがあると、何も変わらないと思う。結局、僕はここへ帰ってくる。
「まあ、しょうがない。どうせ血塗られた道だ」
 聖なるものを求めていると、いつの間にか約束された土地ですべてを手にした自分を見つける。でもそこにいてもどうしようもないから、血塗られた階段をひとつずつ降りてゆく。振り返るとさっきまで見えていた光は記憶の端に追いやられ、足元を見ても影なのか血なのかさえわからない。
 次第に後悔し始める僕にみすぼらしい老婆が声をかける。歯は抜け落ち、日に焼けたその髪は乱れ、何度も洗い直されたガウンを着た老婆だ。
「旦那、もう向こう側には戻れませんよ。扉は閉められてしまったんです」
 それは人間の過ちなのか、それとも神の過ちなのか、僕にとってはもうどうでもいいことのように思える。
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 3年半前、当時付き合っていた彼女(僕の娘の母親)から貰った盆栽が死んだ。毎日大切に水をあげて、僕がイタリアにいるシンボルのようになっていた。
 近いうちに新しい盆栽を買いに行こうと思う。
「扉が閉まれば、ノックしてみればいい」
 トン、トン。
 誰かが答えてくれるまで、僕はそれを繰り返すだろう。

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