― 王のワインはどのように生まれるのか ―王様のワイン「バローロ」とは?

イタリアは全20州すべてでワインが造られる国ですが、その中でもピエモンテ州ランゲ地方で生まれる「バローロ」は特別な存在です。
ネッビオーロ種100%で造られ、長期熟成を前提とする力強い赤ワイン。若いうちは硬く、タンニンも強い。しかし時間とともにタールやバラの香りへと変化し、複雑で気品ある味わいへと育ちます。
そのためバローロは「王のワイン、ワインの王」とも呼ばれています。
しかし——
バローロは単に高価なワインというだけではありません。
実際に現地を訪れると、丘陵地帯に広がる畑、霧の立ち込める朝、家族経営の小規模ワイナリーなど、この土地ならではの空気が味わいに影響していることがよく分かります。
私はワイン関連の業務にも携わる立場として、バローロはまさに「土地と時間がつくるワイン」だと感じます。
このページでは、
・バローロはどこで造られているのか
・なぜ熟成が重要なのか
・実際に訪れるとどんな体験ができるのか
を、現地目線で解説します。
目次
- 偉大なるワインの生産地ピエモンテ州
- 高級ワイン生産地「ランゲの丘」
- イタリア高級ワイン3B、1Aとは?
- 世界遺産バローロ地域
- バローロワインができるまで
- ワイナリーのこだわり
偉大なるワインの生産地ピエモンテ州

バローロワインが生産されるのはイタリアの北西、ピエモンテ州と呼ばれる州です。PIE(足)+MONTE(山々)と言われるように山岳地域でもあり、フランスに面していることからフランス文化の影響も強い地域です。
州都は自動車、チョコレートなどで有名なトリノ。イタリアではトスカーナ地方と並んで2大高級ワイン産地して知られています。
高級ワイン生産地「ランゲの丘」

そのピエモンテ州の中でもクーネオ県( Cuneo )という地域が特にワイン産地として有名です。他にもランゲ地域という呼ばれ方もありますが、地域を二分するようのタナロ川という川が流れており、川の南側がバローロやバルバレスコと呼ばれる赤ワインを主に生産しており、北側はロエロ地域と呼ばれ白ワインも生産しています。この辺りは数万年前には海だったと言われており、豊富なミネラル分が良いワインを育てる土壌というわけです。
ちなみにタナロ川北側はサンド質で、南にゆくほど固い土壌になり、力強いワインが生産されます。このランゲ地域はブドウ畑の素晴らしい景観を認められ2014年に「ランゲ・ロエロ・モンフェッラートの葡萄畑の景観」世界遺産に登録されました。

イタリア高級ワイン3B、1Aとは?
イタリアの高級ワイン銘柄は3B、1Aとすると覚えやすいと言われています。それでは3B、1Aとは何を意味するのでしょうか?それぞれワインの頭文字をとっています。
- バローロ(Barolo)
- バルバレスコ( Barbaresco )
- ブッルネロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino)
- アマローネ(Amarone)
こうした高級ワイン産地のバローロ、バルバレスコと2つが並んでいるランゲ地域はイタリアワインが好きな人にとっては憧れの地と呼べそうです。
世界遺産バローロ地域


こちらがバローロ地域全域の地図ですが、なんとなく「手」のような形をしていると言われています。バローロはバローロいう村を含む11の村の集合地帯で、色別に区分けされた約170のワイン畑があります。
バローロというワインはネッビオーロ( Nebbiolo)というブドウの品種から作られるのですが、丘陵地域は霧がよく発生し、 イタリア語の「霧」ネッビア(Nebbia)という単語から由来がきているそうです。
このネッビオーロという品種にはタンニンという成分が多く含まれ、熟成型のワインに適していると言われています。 この上記の地図のバローロ地域と定められた場所で取れたネッビオーロを100%使用しないとバローロというワインは作ることができません。さらにそこには標高150m-400mまで、北向きの畑はダメ、定められたアルコール度数を超えないといけないなど、かなり厳しい規定も存在します。
バローロワインができるまで


バローロワインができるまでにもかなり長い工程が必要となります。 イタリアを代表する高級ワインになるわけですから、それだけ手間がかかるということですね。 ブドウを絞り一次、二次発酵、樽詰め、ボトリングと簡単に言ってしまえばその通りなのですが、樽詰め期間は最低18ヶ月、ボトリングしている期間は最低1年とここにも基準が存在します。
バローロワインができるためにはネッビオーロから生成されたワインを最低4年目まで熟成しなくてはならないというルールがあります。例えば今年は2020年ですが、2020年元日からようやく2016年のバローロを市場に発売してもよいということになります。
よくブドウの木は樹齢が長い方がよいというようなことを言われますが、樹齢が長くなるとブドウの実の数が少なくなり、自然と濃縮されてゆくとされています。樹齢20年以下の若い木のブドウはあまりバローロには向かず、ネッビオーロというフレッシュなワインになることが多いようです。
ワイナリーのこだわり


やはりお酒というものはその土地の持つ力、自然を最大限に活かすことが大切と言われますが、ワイナリーではその他にもさまざまな工夫がされています。そのひとつが樽であり、一般的にはオーク樽を使用しています。バローロ地域では古くから大型の樽を使用していましたが、70年代から「バローロボーイズ」と呼ばれる若い作り手により子樽(フレンチバリック)の使用も普及しました。


バローロワインの飲み頃は収穫から10年が目安とされていますが、子樽は液体が樽に触れる面積が大きいため、早く樽の匂いがつき、飲みやすくなるとされて一時期にはバローロボーイズ達の作るバローロワインが絶賛された時代もあったそうです。近年ではさらに多様化し、自分たちがどうゆうワインを作りたいのかによって大樽と子樽も使い分けされています。
やっぱりお酒は飲んでおいしい、楽しい時間を過ごせるのが一番の魅力ですが、こうした知識を知っておくと益々ワインに興味がでますよね。
バローロは日帰りできる?
ここが重要です。
公共交通のみで複数ワイナリーを巡るのは、現実的ではありません。
- 最寄りはアルバ駅
- ワイナリーは丘陵地帯に点在
- 徒歩不可
- タクシーをつかまえるのは困難
効率的に巡るには専用車が合理的です。
現地で体験する価値
ワインは飲むだけでも楽しめます。
しかし、
- 畑を見る
- 生産者の話を聞く
- 土壌や気候を知る
- 熟成庫に入る
ことで、味わいはまったく変わります。
私はワイン関連の業務にも携わり、ヨーロッパ各地のワイン産地を訪れる機会がありますが、バローロは「土地と時間がつくるワイン」だと実感しています。
ミラノからのバローロワインツアー



ミラノに滞在される方で、ワインに興味があるなら、日帰りでランゲ地方を訪れる価値は十分にあります。
専用車での訪問により、
- 移動の不安なし
- 複数ワイナリー訪問可能
- 日本語解説
- 安全な帰路
が可能です。
ワイン関連業務をおこなっている、イタリア、ヨーロッパ内で100件以上のワイナリーを訪れた経験豊富なスタッフがご案内致します。



