世界でも珍しいスクーター博物館
イタリアと言えば昔の映画などの影響もあって、レトロなスクーターが颯爽と街中を走り抜けるというようなイメージがあります。
ここはミラノ郊外に位置するRodanoという街にある世界でも非常に珍しいコレクションを携えたスクーター博物館。世界中から集められた主にヴィンテージと呼ばれるような年代物のスクーターが800平方メートルという広さの中に175台展示してあります。
博物館の歴史
この博物館の創業は1979年。Vittorio Tessera氏がヴィンテージスクーターの修理工場を開設されたのが始まりとのこと。それ以後は次々とコレクションを広げ、現在その規模は世界一と言っても過言ではないほどと言われています。
スクーターの歴史
スクーターと呼ばれるようになった乗り物の起源は1908年ごろと言われています。その頃のものは現在の物とは随分形も違い、自転車の真ん中にエンジンがあるというイメージです。
これがこの博物館にある1940年製造のイタリアスクーターで一番古いもの。もちろんこの博物館にはイタリアの有名スクーターぺスパも10数台展示されていましたが、それの原型になったと言われています。
世界各国のスクーターがずらり
ここではイギリス、フランス、ドイツ、スペインなど各国のヴィンテージスクーターが展示されています。上の画像はホンダが初めて製造したスクーター。当時のヨーロッパデザインを意識したのでしょうか。2台目のスーパーカブの原型のようなものも展示されていました。
イタリアを代表するバイクメーカーのドゥカティ(Ducati)やMVアグスタ(MV Agusta)のスクーターもありました。
ドイツらしいどっしりとしたデザインのスクーター、サイドカー付きのものもあります。戦後車が普及する前までは庶民と足として活躍したスクーター。壁のポスターや写真からも当時の面影を伺うことができます。
展示してあるスクーターのほとんどは綺麗に塗装しなおされており、ほとんどが作動して実際に走ることができるのだとか。博物館オーナーの情熱がひしひしと伝わってくる素晴らしいコレクションです。
イタリアスクーターメーカー「ランブレッタ(Lambretta)」とは
上記内容でも十分に見る価値のあるものが多いのですが、ここの博物館では名前にもついているランブレッタ(Lambretta)というスクーターの展示がメインとなっています。
日本ではあまり聞いたことのないメーカーかもしれませんが、かつてはぺスパを製造しているピアッジオ社と一緒にスクーターを製造していたそうです。
ランブレッタは1922年、フェルディナント・イノチェンティ氏が立ち上げたメーカー。1947年に会社を立ち上げると共に世界中で爆発的な人気となったそうです。70年代に製造を中止しましたが、近年別資本で製品は再販されるようになってきました。
この博物館では創立者が立ち上げたランブレッタの修理工場が引き継がれており、ヴィンテージスクーターが再び息を吹き返すという珍しい光景を見ることができます。
スクーター博物館(museo scooter&lambretta)
- 住所:Via Kennedy, 38, 20090 Rodano MI
- 開館時間:月~金 9:00-12:00 14:30:-18:00 (2021年コロナ禍につき要確認)
- Tel:02 95320438
- 入場無料
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