イタリア人美意識の歴史が凝縮したミュージアム
「ADI デザインミュージアム」は2021年にオープンしたミラノでは新しい美術館。こちらの美術館では百貨店チェーンであるリナシェンテがミラノを代表する有名建築家・デザイナーであるジオポンティ(Gio Ponti)のイタリアデザインの向上のためというアイデアに基づき1954年に設けられたコンパッソドーロ賞(Premio Compasso d’Oro)の歴代受賞作品を展示しています。
コンパッソドーロ賞は権威のある工業デザイン賞で、現在では2年に一度選出されています。
こちらの美術館では常設展として歴代の作品が350点以上展示され、季節ごとに様々な企画展示も行われています。
記念すべき最初の年(1954年)の受賞作品。
ミシンで有名なネッキ姉妹の作品も選ばれていました。
他では見ることのできないデザインの誕生を紐解く
工業製品すべてが賞の対象と言うことでここではイタリア産業に携わった車、家具、電化製品、医療機器など様々な製品が展示されています。
大きな特徴としては製品のデッサンや実際の設計図などが展示されていることでしょう。
製品と共にこうしたデザイナーのアイデアの深いところまで触れることができるのはこの美術館の大きな魅力のひとつです。
イタリアの日常にあるデザインというもの
ミラノではミラノサローネが行われるため世界的にもデザインの街といういめが定着していますが、こうしたデザイン賞などが引率してきた歴史があればこそその地位が確立したと言っても良いでしょう。
ここでは地下鉄のフォームが展示されていますが、日常にあるイタリアデザインの歴史が垣間見れるのはミラノならではの美術館と言えそうです。
その他幅広い展示内容
歴代受賞者のポスターが飾ってあるブース。ここでもいろいろとこだわりのあるデザインがされおり見る人を楽しませてくれます。
地下には石の素材を扱ったメーカーの展示がしてありました。
キッズラボもあるようです。オンラインで予約できるようですが、おそらくはイタリア語のみです。
一角にはブックショップもありました。
展示にはいろいろと工夫がされていて、トリエンナーレデザインミュージアムとはまた別の魅力を感じることができました。デザイン好きの方にはぜひ訪れてほしい美術館です。
- ADI Design Museum
- 開館時間:10:30~20:00 (金曜日閉館)
- 入場料:15ユーロ(支払いは電子決算のみ)