イタリア国内で唯一都会と呼ばれる「ミラノ」はファッションやデザインなど近代的なイメージが先行しますが、古い歴史と近代が融合したとても魅力的な街です。
そんなミラノの厳選した必見観光スポット11選を現地コーディネーターが余すところなく紹介します!
目次
- まずはミラノのシンボル大聖堂へ向かおう
- 見逃せないレオナルドダヴィンチ作「最後の晩餐」
- ミラノのシンボル「ガッレリア」で幸せに
- イタリアオペラ文化の象徴「スカラ座」
- ファッションの街ミラノを体感「モンテナポレオーネ通り」
- 守護聖人が眠る最古の教会サンタンブロージョ
- ミラノにはお城もちゃんとあるのです「スフォルツェスコ城」
- ロマンティックな運河沿いナヴィリオ地域
- 美術館に行きたいならこちら「ブレラ美術館」
- ミラノの有名な揚げピザを賞味「ルイーニ」
- お土産に最適なマロングラッセ老舗店「ジョバンニガッリ」
まずはミラノのシンボル大聖堂へ向かおう
海外旅行に行って求めるもの、それはやはり感動や驚きではないでしょうか。それを間違いなく叶えてくれるのがこのミラノ大聖堂です。時差ボケですっきりしない方もいるかもしれませんがこの大聖堂と対面すれば我々人類がこんなものを建築できるのだとその驚きはひとしおです。
ヨーロッパでは街の中心に神の象徴である教会が置かれ、それを取り囲むように広がってゆくという形式が多く見られますがここミラノでも街の中心でありシンボルとなっているのがこの大聖堂「ドゥオーモ(duomo)」です。イタリアではその街の中心に位置する大聖堂はその街の在り様を反映していると言われており、デザインやファッションで有名なミラノはこの大聖堂の恩恵の元に成り立っていると言っても過言ではありません。
建築年数約500年という圧巻のゴシック建築の歴史
現在の大聖堂広場にはかつてサンタ・マリア・マジョーレという教会がありました。この教会を再建したのが当時ミラノを支配していたジャン・ガレアッツォ・ヴィスコンティ。彼の命により現在のミラノ大聖堂は1386年より着工し、約500年の歳月を経て1813年に完成したとされています。何度も戦争などの影響により工事も中断したそうですが、この大聖堂の完成式を行ったのは当時破竹の勢いでヨーロッパ全土を侵攻していたナポレオンと言われており、こうした背景も歴史の奥深さを感じさせます。
大聖堂を設計したのは多くの建築家の合作とされており、ルネッサンス期を代表するドナト・ブラマンテ(Donato Bramante)も関わったようですが、メインとして名があがるのは北イタリアミラノおよびその近郊で多大な影響を与えたジョバンニ・アントニオ・アマデオ(Giovanni Antonio Amadeo)とされています。ただアマデオが描いた設計図には現在ある特徴的な135本の尖塔がなかったとされており、このデザインは後ほど追加されたものとされています。
その壮大な建築は全長158m、幅93m、高さが108mで内部の面積が1万1700平方メートル。世界最大級のゴシック建築として知られています。2245体の彫刻との融合美はまさに圧巻の一言です。大聖堂の頂上には重さ1トンもあるという金のマリア像が君臨し、大聖堂建設が始まってからこのマリア像の高さ108メートルというのがミラノの建築物の最大限度であり、それは近代化が始まる1950年代まで頑なに守られていたそうです。
晴れた日には内部のステンドグラスが美しく輝き、荘厳な教会内をさまざまな光の色で満たしてくれます。旧約聖書、新約聖書からなるキリスト教の歴史を描いた油絵、そして彫刻などが並び、神聖な空気が漂う空間と言えるでしょう。その壮大な空間に漂う神秘的な静寂は訪れる者の心をそっと休めてくれるようです。
祭壇の上部にはキリストが十字架に打ち付けられたときに用いられた3本の釘のうちのひとつが保管されていると言われており、この大聖堂がいかに地元のカソリック信者に崇められてきたのかを裏付けるような重要な証拠になっています。
ぜひ大聖堂の屋根に上ってみましょう
ミラノ大聖堂は階段もしくはエレベーター屋上に上ることができ、ミラノの街を一望することができます。遠くから見ていてはわからないゴシック建築の美しい彫刻の数々を近くで見れる絶好の機会です。
やっぱり高い所に登って景色を眺めると遠くまで来たという実感が湧いて楽しいものです。その彫刻の向こう側に広がるパノラマのミラノを見れば、一生の思い出になることは間違いないでしょう。
大聖堂に登るには専用のチケットが要りますし、それなりに狭い通路を歩かなくてはいけません。時間がない方やそこまで手間をかけたくないという方へ裏技的な方法は横にある百貨店リナシェンテのエレベーターを無料で使用することです。雰囲気は味わえますし、もしのんびりしたい場合にはゆっくりできるカフェも利用できますのでこちらもチェックしてみてください。
ミラノ大聖堂への入場方法
大聖堂への入場、および教会の屋根に登るためにはチケットが必要になります。チケットオフィスは大聖堂を正面に見て右側に進んで行くとインフォメーションセンターがあり、そこで購入できます。チケット購入にもそれなりに手間と時間がかかります。大聖堂に入場する、登るための昇降口のためにも並びます。
滞在時に予定を決めたくない、時間に余裕がある方はいいかもしれませんが、大聖堂への入場チケットには専用のサイトからオンライン予約が可能なのでこちらをぜひ利用されるほうがおすすめです。オンライン購入の場合にはチケット代が+0,5~1ユーロの追加があります。
チケットの購入方法、入場の仕方はミラノ大聖堂のページにてさらに詳しく解説しています。
・ミラノ大聖堂 (Duomo di milano)
入場時間:8:00〜19:00
大聖堂ミュージアム:10:00〜18:00(月曜休み)
屋上昇降口:9:00~19:00
入場チケット:6~28ユーロ(子供指定料金もあり)
・大聖堂内部のみ:6ユーロ
・(一番おすすめ)大聖堂と地下聖堂、博物館、エレベーターでの昇降:20ユーロ
・大聖堂と地下聖堂、博物館、階段での昇降:15ユーロ
見逃せないレオナルドダヴィンチ作「最後の晩餐」
ルネッサンス期の傑作レオナルドダヴィンチ作の「最後の晩餐」。あまりにも有名なこの壁画はミラノにあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の食堂に描かれています。ミラノにある唯一の世界遺産ということもあり、こちらをぜひ見てみたいという方も多いはず。その内容と予約方法を紹介していきます。
レオナルドダヴィンチは1482年から1499年の間ミラノに滞在していたと言われています。この最後の晩餐は当時ミラノを統治していたヴィスコンティ家の命を受けレオナルドダヴィンチがミラノにいた1495年 – 1498年の期間で制作されました。
世界的にも名高いレオナルドダヴィンチですが、実は彼が手掛けたと証明されている作品の数は10数点とかなり少なく、そして唯一の壁画がこのミラノの最後の晩餐となります。壁画であるため持ち運びができず、ここでしか見ることができないというのも価値を高めている理由のひとつ。
レオナルドダヴィンチ以前の最後の晩餐は円卓に座っている姿で描かれたことがほとんどでしたが、ダヴィンチは登場人物を横一列に並べ、ルネッサンス期に発達したとされる独特の遠近法を用い画期的とも言える構図を生み出しました。かなり筆が遅く未完成の作品も多くあるダヴィンチの作品の中で縦幅約4,5メートル、横幅9メートルという大作を3年余りで仕上げた完成作品であるというのもかなり稀なこととして挙げられます。
1980年にはユネスコの世界遺産に登録され、有名な映画や小説でもダヴィンチの最後の晩餐は話題に上り益々注目を集める存在となりました。
レオナルドダヴィンチの最後の晩餐はこちらのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(Chiesa di Santa Maria delle Grazie)内の修道院にあるかつての食堂に描かれています。
レオナルドダヴィンチの最後の晩餐が奇跡の壁画と呼ばれるのには主に2つの理由があります。ひとつはイタリアで壁画と言えば主にフレスコ画が主流ですが、書き直しを何度も行うレオナルドダヴィンチは手法としてテンペラ技法を用いました。
卵など植物精油を用いるテンペラ手法は制作に何度も書き直しができるという利点がありましたが、長期保存には向いていませんでした。この絵は完成して間もなく劣化が始まり、数世紀にわたって何度も修復が行われています。一時期はほとんど原型を留めないほど劣化したそうで、20世紀の大修復と呼ばれる20年にわたる修復のおかげで現在は描かれた当時を再現しているそうですが、絵自体はかなりぼんやりとしている印象が否めません。
もうひとつの理由ですが、よく絵を見てみると右側の天井あたりが欠けていることがわかります。このサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会は第二次世界大戦の際に爆撃に遭い、ほとんど全壊に近い状態になったとのこと。
損壊時には教会の屋根や壁も吹き飛び、瓦礫の山のなかでまるで聖人たちが手を差し伸べたモニュメントのように、聳え立っていたのがこの最後の晩餐が描かれていた壁の部分であったということです。修道士たちはこの壁を守るために必死に土嚢を積み上げ、そうして天才ダヴィンチの傑作は現在までミラノに残された奇跡の宝として世界中から訪れる多くの観光客の眼差しを浴び続けています。
たまたま建築家ブラマンテが書いた教会の設計図が発見されたとのことで教会は昔の姿を取り戻していますが、そのほとんどは戦後再築されたものであるとのこと。もし爆撃が少しでもずれていたら、もし設計図が発見されなかったら、おそらく現在のサンタ・マリア・デッレ・グラッツィエ教会と世紀の名画である最後の晩餐は全く別のものになっていたでしょう。
最後の晩餐の鑑賞は予約が必須です
ミラノの宝とも呼べる世界遺産「最後の晩餐」ですが、その保存目的などの理由から観覧に関しては完全予約制となっており、観覧できるのは15分刻みの1グループの(25~30人程度)入れ替え制。
ミラノ滞在を計画されこの最後の晩餐を鑑賞したい場合、まず優先的にしなくてはいけないことがこの観覧予約ということになります。
予約方法は主に3つあります。
- ツアー会社の最後の晩餐が組み込まれたツアーに参加(難易度★)
- 最後の晩餐の公式サイトからオンライン予約(難易度★★★)
- 最後の晩餐の予約センターへ電話して予約(難易度★★★★)
最初の方法は「最後の晩餐 ツアー」などで検索し、最後の晩餐の晩餐が組み込まれたツアーへ参加することです。最後の晩餐の正規の値段はひとり15ユーロなので、ほぼ3~4倍近い値段となりますがその分簡単に予約が取れます。
次の方法は最後の晩餐の公式サイトへアクセスしてオンライン予約する方法です。
予約するためには個人情報の登録が必要で、時間帯によってはガイド付きのオプションが必須なもの(プラスしてガイド料がかかります)、などがありますのでご注意ください。予約が完了するとメールが届きますので、当日チケットオフィスにて予約番号と観覧チケットを交換する必要があります。
最後の方法は最後の晩餐の専用チケットセンター(+39 02 92800360 )月曜~土曜8:00~18:30 へ電話をして予約をする方法です。こちらは上記オンライン予約以外の枠もあり最大9名分の予約ができることもあり観覧チャンスは広がりますが、オペレーターになかなか繋がらないのが難点です。オペレーターにつながらないと自動的に電話が切れてしまい、30分~1時間ほど何度電話しても繋がらいことがざらにあります。さらに英語もしくはイタリア語で話さなくてはならず、メールアドレスやクレジットカード番号の確認などにも手こずることは想像に容易いこととなります。
無事に予約ができた方も観覧前に予約番号とチケットを交換しなくてはなりません。なので遅くとも観覧時間の30分前程度にはこちらの教会へ到着しておいたほうがいいです。
こちらのチケットオフィスは朝の8時からオープンですが、キャンセルなどが発生し、その日の空いている時間があれば当日の朝にその分を売り出しますので運が良ければその日のチケットを入手することができます。
チケットの受け取り方や予約に関してはこちらの「最後の晩餐」のページにてさらに詳しく解説しています。
最後の晩餐 (Cenacolo Vinciano)
- 住所:Piazza Santa Maria delle Grazie, 2 MILANO – ITALY
- 休館日:毎週月曜日、1月1日、4月25日、5月1日、12月25日
- 入館時間:8:15~18:45
- 公式サイト
- 専用チケットセンター(+39 02 92800360 ) 月~土:8:00~18.30
- 観覧料金:15ユーロ~
ミラノのシンボル「ガッレリア」で幸せに
大聖堂(ドゥオーモDuomo)と同じようにミラノのシンボルとなっているのが門のように見えるこちらの建物ガッレリア(Galleria)。誰もが訪れるミラノの中心地大聖堂広場に面しているのでこれを見逃す手はありません。
このネオクラシック調の美しい建造物は1861年にイタリア統一をした初代国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世( Vittorio Emanuele II)にちなんで名づけられています。ガッレリア(Galleria)とはイタリア語でトンネルやアーケードを意味し、ミラノの中心である大聖堂広場とスカラ座広場を繋ぐ通路して建設されました。この通路の間には現在では世界的にも有名なブランドショップが立ち並び、世界初のショッピングモールの橋掛けとしても知られています。
国際的にもファッションの街として知られるミラノですが、それを象徴するのがまさにこのガッレリアの中心にあります。歴史ある有名な「プラダ」の本店がメンズとレディースに分かれて対峙しており、それはまるで歴史と現代の街ミラノを象徴しているかのようです。
この通路を建設するにあたりコンペが行われ、見事栄冠を勝ち取ったのはイタリアの建築家ジュゼッペ・メンゴーニ(Giuseppe Mengoni)。このガッレリアは1865年から1877年の間に建設されました。石造りの伝統工法を基盤にガラス、鉄、石、そして近代の鉄骨が組み合わさった融合美はまさにミラノの建築技術の終結と呼べる傑作でしょう。何度訪れてもそのバランスのとれた美しさはミラノの日常に溶け込みながらひときわ輝いて見えます。
こちらのガッレリアは通路なので営業時間や通行料などはありません。
幸せになる「雄牛」のモザイクを踏もう
このガッレリアの中の床はすべてモザイクで作られており、ローマやフィレンツェなどイタリア国内の他の街を表したモザイクもあります。その中でも特に必見スポットなのがこちら「幸せの雄牛」のモザイク。プラダ本店の目の前にあります。モザイクの牛の急所あたりに穴が開いており、ここを軸に目を閉じて右足を軸に3回時計回りに回ると幸せになれるという逸話があり毎日多くの人で賑わっています。
この一帯はおしゃれなカフェやレストランがあることでも有名です。その中でも特におすすめなのがこちらの老舗カフェであるパスティッチェリア・マルケージ(PASTICCERIA MARCHESI)。ここはプラザ財団(Fondazione Prada)が手掛けたこともありOsservatorio(天文台)の看板が目印になっています。
店内の窓からはガッレリアを眼下に見れる絶景が堪能できます。名所を高いところから眺められるというのも楽しいものです。ちなみに窓の前にはスタンドのテーブルがあり、そこなら席料も取られずにカフェタイムが楽しめます。また中心地でトイレに行けるのも安心ですよね。
多くの人がこのカフェにてゆったりとした都会のひと時を楽しんでいます。ぜひ旅の思い出にご利用ください。ガッレリアに関してさらに詳しいことはこちらから。
Pasticceria Marchesi(営業時間:7:30~20:00)毎日
イタリアオペラ文化の象徴「スカラ座」
「神々への賛辞のための音楽」そう呼ばれるのがここイタリアで生まれたオペラ。それがここミラノで行われる場所が中心地からほど近い世界的にも有名な「スカラ座」。ミラノにあるスカラ座は世界でも最も古いオペラハウスの一つとして知られ、ミラノの街でもシンボル的な存在となっています。19世紀から20世紀初頭にかけて、ジョゼッペヴェルディやプッチーニ、マリアカラスなど有名な作曲家や歌手が出演し、歴史的な演奏やプレミア公演が行われました。ここでは世界でもトップクラスの質の高いオペラやダンスを堪能することができます。
スカラ座の音響は世界的にも優れていると評価されており、質の高い音響効果で最高の音楽を堪能できるというのも人気の特徴のようです。スカラ座の名前の由来は以前この場所にスカラと名前がついた教会があり、その跡地に建設されたことが元になっています。スカラ座は1778年に建設、第二次世界大戦の時に一度壊れてしまい、現在の建物は1984年に再建されました。
建物の外観よりもその内部の豪華さや劇場の美しさをぜひ堪能してみましょう。残念ながらオペラを見る時間がないという方には「スカラ座博物館」もあり、内部を見学できるようになっています。スカラ座博物館は正面の左側に入り口があり、博物館に入場すれば玄関ホールや劇場内が同時に見学できるようになっています。(リハーサルを行っている場合には劇場内へ入れない場合もあります)
ただオペラ好きな方は一生の間で一度はスカラ座でオペラ体験をしてみたいと思う方が多く、最新のファッションに身を包んだミラネーゼ達と一緒に音楽に身を浸し、ミラノでのロマンティックなオペラ体験に酔いしれるのもイタリアならではの贅沢と言えるでしょう。
ミラノ・スカラ座 (Teatro alla Scala)
住所:Via Filodrammatici, 2, 20121 Milano MI
スカラ座博物館:毎日9:30~17:30(最終入館は17:00)
博物館入場料:12ユーロ(2023年3月現在)
スカラ座公演チケットの購入方法
スカラ座公演でのチケットの購入方法は3つあります。
- スカラ座HPからオンラインで購入
- 現地チケットオフィスにて購入
- 当日立見席の購入
まず一番確実なのがこちらスカラ座HPからオンラインにて購入する方法です。通常スカラ座のチケットは公演の約2~3カ月前にインターネット販売が始まります。オンライン販売の場合通常のチケット料より20%上乗せの予約料金が発生しますがどうしても公演を見たい場合にはオンライン購入をお勧めします。
もうひとつの方法は現地スカラ座のチケットオフィスにて購入する方法です。チケットオフィスは上記写真にあるようにスカラ座にあります。
チケットオフィス営業時間:月~土 12:00-18:00
こちらも時期としては約2~3カ月前から現地のチケットオフィスにて販売されます。以前はオンラインが先行販売でしたが、現在は同じ時期にチケットオフィスでも購入可能になりました。現地オフィスでは通常料金で販売され、オンラインで販売されなかった席も販売されると言われていますが、人気公演には席もかなり限られることが予想されます。
当日の立見席の購入方法やさらに詳しいことはこちら「スカラ座チケットの購入方法」をご参照ください。
ファッションの街ミラノを体感「モンテナポレオーネ通り」
ミラノ中心部、ブランド街として名高い通りがモンテナポレオーネ(Via Monte Napoleone)です。この通りはヨーロッパの中でもひと際高価な通りとしても知られており、ミラノ中心地から北側に位置する古くから由緒ある家柄の人々が住む高級地域。
このわずか350メートルというこの通りはヨーロッパで一番高価な通りとされており、世界でも3番目に高価な通り。この地域だけでミラノのGDP12%を生産していると言われています。ミラノでもひと際お洒落な人たちを見かけます。
こちらの通りには世界的に有名なブランドがずらり。この通りに住所を構えること自体がひとつのブランドの象徴と言えなくもありません。まさに世界中からショッピングに訪れる人が後を絶たないファッションの都ミラノを象徴する通りです。グッチ(Gucci), プラダ(Prada),ディオール(Dior),エルメス(Hermes)、ルイヴィトン( Louis Vuitton), モンクレール(Moncler)、フェンディ(Fendi), ボッテガヴェネタ(Bottega Veneta), アルマーニ(Armani), Dolce & Gabbana, などなど他にも世界的なブランドがこちらの一体に点在しています。
モンテナポレオーネ通りと並行してブランド街の一角として知られるのがこちらのスピーガ通り。こちらも石畳の落ち着いた雰囲気です。このブランド街の一角として他にもVia Santo spirito、Via Borgospessoなどの通りも該当します。ウインドーショッピングをしているだけでもファッションセンスが磨かれそうな一帯です。
この一帯のお店の営業時間は10:00-19:00というところがほとんど。閉店間際は入店を断られる場合もありますので、時間には余裕をもって行動しましょう。また1店舗で155ユーロ以上のお買い物をされる場合にはタックスフリーが申請できますのでこちらもお忘れなく。
モンテナポレオーネ通りで有名なのがこちらの老舗カフェCOVA.1817年開業、イタリア最古の洋菓子店(パスティッチェリア)のひとつでこのミラノ本店には多くの人が訪れます。少し値段は高いですが、かわいい伝統的なスイーツを休憩がてら堪能するのもおすすめです。
守護聖人が眠る最古の教会サンタンブロージョ
イタリアでは街ごとにその街を守る守護聖人が指定されています。ミラノの守護聖人は聖アンブロシウス(Ambrosius)で、彼を祀るサンタンブロージョ教会(Basilica di Sant’Ambrogio)はミラノ最古の教会として知られ、建築はロバルディア・ロマネスク様式となっています。
さらに詳しいことはこちらから。
サンタンブロージョ聖堂 (Sant’Ambrogio)
住所 | Piazza Sant’Ambrogio, 15 – 20123 Milano – Italy |
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行き方 | 地下鉄緑線(linea 2)に乗ってサンタンブロージョ駅(Sant` Ambrogio)にて下車、すぐ目の前。 |
入館料 | 無料(併設する博物館は2ユーロ) |
開館時間 | 平日 7:00-12:00 14:30-19:00 祝日 7:00-13:00 15:00-20:00 博物館:9:30~12:00 14:30~18:00 |
ミラノにはお城もちゃんとあるのです「スフォルツェスコ城」
中世ミラノの繁栄期を象徴し、街のシンボルとして歴史を伝えるかつての古城「スフォルツェスコ城」。この城は15世紀にミラノを統治していたスフォルツェスコ家の居城として建築されました。1861年イタリア統一後に修復され、この城の内部は面積、コレクション数ともにミラノ随一の総合博物館として一般に公開されており、ミラノ観光では見逃せないスポットして連日多くの観光客が足を運んでいます。
中心地のドゥオーモから歩いて15分ほど。ドゥオーモの前の広場からVia Mercanti通りを抜け、 Via Dante通りへ。そこは綺麗な石畳の広々とした通り。両脇にはガラス張りのおしゃれな店が立ち並び、ぶらぶらとウインドウショッピングをしていると突然空に伸びる高い塔が目に飛び込んでくる。街中に聳え立つその姿はまるで空と大地を繋ぐ巨大な柱のようにも見えます。それがスフォルツェスコ城の入り口。
入り口の正面は109メートルという高い塔になっていて、そこからレンガ積みの城壁がぐるりと取り囲んでいます。また入り口の塔の前には円形の噴水と馬に乗ったスフォルツァ公爵の彫刻が置かれ、その非日常的な光景を遠くから眺めているとまるで映画の中に迷い込んでしまったかのような錯覚に陥いることになります。
城内は現在博物館として運営されています。博物館は中世、ルネッサンス期の彫刻2000点を集める古代美術館、1500点の貯蔵作品を誇る絵画館、エジプト博物館、アンティーク家具・木彫博物館、装飾美術博物館、楽器博物館に分類され、城塞の情緒あふれる天井画の下に陳列された幅広い年代の美術品観覧時間は速足でも約1時間という壮大さ。蓄積されたコレクション群はミラノの栄光時代を語る証人として訪れるものを圧倒するほどのコレクションとなっています。ただそれほど有名な作品はないため、時間のない方は以下の作品のみご覧になってもよいかもしれません。
ミケランジェロ生涯最後の作品「ロンダニーニのピエタ」
この博物館の目玉作品としてミケランジェロが死の間際まで作っていたといわれる「ロンダニーニのピエタ」が別棟に展示されています。「ピエタ」というのは元々イタリア語で「慈悲」という意味ですが、多くのアーティストが絵画や彫刻でこの「ピエタ」を表現してきたキリスト教カソリックにおいて重要なテーマ。主に聖母マリアが死んだキリストを抱えているという構図で、ローマではミケランジェロが23歳の時に製作したと言われる作品がサンピエトロ大聖堂にあることで有名で、ここミラノの「ピエタ」にも世界中から多くの観光客が訪れる。「ロンダニーニのピエタ」はミケランジェロが彼の墓標にする予定だったとも言われており、未完成の作品のため謎も多く、未完の傑作と称されています。
2013年にこの城の「アセの間」から500年の時を経てレオナルドダヴィンチが描いたフレスコ画が発見され、歴史的大発見として話題を呼び現在でも修復作業に大きな注目が集まっています。
スフォルツェスコ城 (Castello Sforzesco)
- 住所:Piazza Castello, Milano Italy
- スフォルツェスコ城:入場無料
- スフォルツェスコ城博物館:5ユーロ 9:00-17:30(月曜休館)
- 行き方 :地下鉄赤線(M1)カイロリ駅(Cairoli)下車徒歩1分
ロマンティックな運河沿いナヴィリオ地域
今ミラノで3大観光地のひとつに挙げられるのがここナヴィリオ地区。しかし観光地だけには留まらず多くの地元民にも人気が高い、ミラノでも最新のスポットと呼べるでしょう。地下鉄緑線(linea2)でポルタジェノバ駅(P.TA Genova FS)下車、徒歩で約5分。もうミラノでは珍しくなった運河が目印になっています。
かつてミラノにはたくさんの人工運河が流れ、人々の生活にかかせないものとして物品の運搬に使われていました。大聖堂ドウォーモ建設の際にもこの運河を使って石材を運んだこともよく知られています。運河の建設にはレオナルド・ダ・ヴィンチも設計に加わり、かつては「水の都」と呼ばれた時期もありました。
しかし戦後交通の発達にともなってほとんどの運河を埋め立ててしまい、今ではこのナヴィリオ地区だけが当時の面影を残す場所となっています。この地区は多くのアーティストが暮らす下町として知られ始め、1982年から地元の人々が地域復興活動を始めたのをきっかけに次第に新しいミラノの観光地へと変わってきました。
商業とファッションというあわただしいイメージのミラノですが、ここでは歴史とロマンの匂いが漂い、ゆっくりとした時間が流れているのが人気を呼ぶ理由でもあります。
最近ではセレクトショップ(オーナーが独自に選んだ品物を扱う店)が地元のミラネーゼたちにも人気を呼び、ショッピングにも最適な場所でありながらぞくぞくとおしゃれなレストランやカフェがオープンする新しいスポットです。しかし地元の人々が長年通い続けている老舗のバーやカフェなどもあり、その下町と新しいものがうまく共存している風情が人々を引き付ける魅力なのでしょう。特に夏になるとこの運河の周辺一帯がオープンカフェとなり、アプリティーボのために多くの人々が訪れます。
ここナヴィリオ地域は毎月最終日曜日にアンティーク市(骨董市)が開催されるのでも有名です。運河沿いにずらりとフリーマーケットのように市がでるので骨董品の物色などがお好きな方にはお勧めです。マーケットの日程に関してはこちらのページから参考できます。
美術館に行きたいならこちら「ブレラ美術館」
中心地から歩いて15分、地元の人々がこよなく愛す伝統的なカフェが立ち並ぶVia Brera通りに面して建っているのが、ミラノを代表する絵画館「ブレラ絵画館 Pinacoteca di Brera」。
入り口の門を潜ると広場の真ん中にアントニオ・カノーヴァ作のナポレオンの像が立っています。この建物の一階部分は大学になっていて、若きアーティストの美大生が奇抜なファッショで出入りしている。階段を二階にあがるとブレラ絵画館の入り口になっています。
ミラノでは14世紀ビスコンティ伯など多くの貴族たちが芸術家のパトロンになり、それによって芸術活動が盛んになってきました。この絵画館では14世紀から19世紀にかけてのヴェネチア派、ロンバルディア派の500点を超える作品が展示され、訪れる人を歴史の匂いに包み込む。内部は30数部屋の展示室によって区切られ、14世紀の貴重な絵画、彫刻に始まりダヴィンチやラファエロといったルネッサンスの天才たちの技法を取り入れた作品へと繋がってゆくというように時代ごとにイタリア芸術の発展を見ることができます。
見逃せない主要作品
この絵画館には北イタリアのルネッサンスを代表する作品が多く展示されています。
キリスト教に馴染みのない人にとってもその表現方法や奥深さには見るものを釘付けにする美しさがあり、各時代の人々の価値観や歴史を肌で感じることができる素晴らしい絵画館。
入場に関して:ブレラ美術館はフィレンツェやローマの有名な美術館とは違い、予約がなくても問題なく入場できるイメージです。
ブレラ絵画館 (Pinacoteca di Brera)
- 住所 :Palazzo di Brera – Via Brera, 28 – 20121 Milano
- 行き方 :中心地から歩いて約15分。もしくは地下鉄montenapoleoneから5分
- 休館日 :毎週月曜、1月1日、5月1日、12月25日
- 開館時間 8:30~19:15
- 入館料15ユーロ(*)2023年3月現在
- 公式サイト
ミラノの有名な揚げピザを賞味「ルイーニ」
このルイーニの歴史は古く、1888年南イタリアにて始まりました揚げピザ・パンツェロッティ(panzerotti)を提供する持ち帰り専用のお店。まだこの南イタリアの名物料理を誰もしらなかった50年以上前、ミラノに店舗を構えたルイーニは雑誌やテレビなどでもよく取り上げられミラノで知らない人はいないというぐらい有名なお店です。
ミラノのドゥオーモの近くという好条件、一つ2,5ユーロという低価格ということもあり、いつもお店の前には長蛇の列ができています。お年寄りから子供まで、並ぶのが嫌いなミラネーゼたちも、ルイーニはしょうがないという感じでそのやみつきになる味を求めて列に加わっています。
ルイーニの盛大な成功のために、多くの店が真似をしてパンツェロットを売り始めたということです。しかしどこの店もルイーニにはかなわず、逆にルイーニの人気を高める結果となりました。何か特別な隠し味でもあるのかもしれませんね。そんなおいしいパンツェロットは大聖堂広場から僅か2,3分ほど。ショッピングや観光の合間に、できたてアツアツのおいしいパンツェロットをご堪能ください。ルイーニは今やヨーロッパ各地に支店を出しているおいしさ保証付きの一品です。
ルイーニ (Panzerotti LUINI)
- 住所:Via Santa Radegonda 16 – Milano ITALY
- 営業時間:10:00~20:00
- 定休日:日曜日
- 公式サイト
お土産に最適なマロングラッセ老舗店「ジョバンニガッリ」
古今東西、甘いものは人々を魅了しそれがおいしければ自然と人から人へと伝わってゆきます。ミラノで1911年からお店を構えるGiovani Galliは、ミラノ中心地でも人気の洋菓子店。それほど甘すぎず日本人のテイストにも合っています。特にこのお店で有名なのは「マロングラッセ」。このお店の「マロングラッセ」はミラノだけに留まらず、イタリア各地でも知れ渡っているほど。
「洋菓子店」のマロングラッセの値段は57ユーロ/キロということで、お店でそのまま食べると一個1,2ユーロほど。でも重さの値段なので箱などに入れてもらうと値段が上がります。マロングラッセは常温で約3週間が賞味期限。長年ミラネーゼの味覚を満足させてきた名物「マロングラッセ」日本へのお土産にもピッタリです。他にも珍しいホオズキのチョコレートなどもあります。ぜひご賞味ください。
また冬以外には美味しいマロングラッセのジェラートや見逃せないサイト割引も実地しています。さらに詳しいことはこちらから。
ジョヴァンニ・ガッリ (Giovanni Galli)
- 住所:Via Victor Hugo 2, Milano
- 営業時間:9:00-19:00 (日曜は午前のみ)
- 公式サイト
今回の記事はこちらで終了となります。ご観覧ありがとうございました。